プレジャーボート航海記

SARGO31 で楽しむファミリーマリンレジャーと船旅ブログ。以前乗っていた同メーカーのMinor29DCで行った日本沿岸の旅もご紹介。

2008年01月

一級に合格!

当日一級小型船舶操縦士を受験した人は7人。7人が全員合格した。
おめでとうございます。
前の席に座ってしきりに話かけてきた金髪のヨットマンも合格したわけだ。今度会いに行こ。

<楽勝>といいたいところだけど、結構勉強した。
特に海図問題には苦労した。試験3日前から海図問題の<おさらい>にとりくみ、試験前日の土曜日の夜になってやっと海図問題を安定して解けるようになった。

ほんとうに一級の試験問題は練習問題がそのまま出る。問題の51番は転針するポイントに注意しながら図面いっぱいに航路を書き入れ、全体の航路を計測する問題だ。
海図にデータを書き込んで距離を計測して時間を割り算で計算する前に・・・何番が正解なのか答えを知ってしまっている。
いいのだろうか・・・。まあ、いいのか。答えを覚えるくらい練習したということは、海図を引けるようになったということだから。

これで晴れて一級小型船舶操縦士だ。

一級を取る目的は「屋久島へ行くため」に尽きる。
北海道から高浜までは二級でも回航することができる。屋久島までは5海里を越える沿海の部分があるため、二級小型船舶操縦士免許では行けない。

小樽からNTPマリーナ高浜に帰ってくるのは4月〜5月にかけて。
この夏には屋久島にチャレンジしてみたい。

一デン・二ガス・スリーキャブ

これは昔習った車のエンジンがかからないときの故障原因の順位。
一番疑うべきは電気系統。次に燃料系統、その次にキャブレター(気化器)系統。エンジンがかからなくなったときのトラブルシューティングに使えるヒューリスティックだ。

ヒューリスティックとは早く直感的にベストな問題解決に導く経験則。日がさ、月がさが出ると翌日は雨、朝焼けは雨、夕焼けは晴れなどの「観天望気」も典型的なヒューリスティックの例だ。論理の世界と思われるプログラムの世界でもヒューリスティックはたくさん使われる。

話をもどそう。
「イチデン」だからほとんどの原因が電気系統でバッテリの充電不足や、液量の不足、ターミナル、点火プラグ、コード類といった電気系統が原因だ。
「ニガス」だから燃料系統。燃料切れとかフィルターの詰まり。そのあたりのチェックでだいたいトラブル原因が見つかり、それでも見つからないとキャブレターか・・・となる。
今の車は故障しないからこうしたヒューリスティックは忘れ去られてしまった。

このヒューリスティック、船に使える。船は車に比べると古典的ともいえるエンジン系統を使っているからだ。
海上でエンジンがかからなかったらパニックだと思う。そんなとき<一デン・二ガス・スリーキャブ>を思い出せば助かることもあるかも。

桟橋でシーレイのエンジンがかからなかったことがある。スターターは勢いよく回る。電気系統ではなさそうだ。何回やってもエンジンが目を覚まさない。NTPマリーナ高浜のスタッフ、浜ちゃんに携帯で聞いてみた。
「エンジン回ります? そっか。じゃあー行きますね」といってわざわざ走ってきてくれた。浜ちゃんはシーレイのクラッチを切ってスロットルをあおりながらスターターを回す・・一発でエンジンが始動した。ありゃ?
「ちょっと間が空くとキャブまでの燃料系統が揮発して不足ぎみになっちゃうんですよ。そんなときはこうやってスロットルをあおるとかかることがある。でもいつもやらないでね。」
と教えてくれた。こういう間隔で初心者が乗るガソリンエンジン艇だからきっとこれだな・・・というヒューリスティックが働いたわけだ。

ぼくも早く経験を積んでトラブルに強いパイロットになりたいものだ。

限定沿海

ルキア号は「限定沿海仕様」だ。「限定沿海」はインターネットで調べると<平水>から最強出力で往復2時間以内の距離という意味だ。
ということは伊勢湾・三河湾の場合、神島〜伊良湖ラインの先20海里ぐらいまでいけるということになる。
沿海区域の<デイクルージング>はこの仕様で十分ということだ。NTPマリーナ高浜のスポーツイベントに参加することもできる。

だがルキア号を購入した目的は「屋久島クルージング」だ。今のままだと、屋久島へはいけない。

まずルキアを「沿岸小型船舶」に変更し、沿岸から5海里のベルト海域を自由に航行できるようにする。これで北海道・本州・四国・九州はどこでも行ける。
屋久島は5海里ベルトでつながっていないところがあるため、行くときだけ「船舶保安臨時航行検査申請」をすることにする。
鹿児島と種子島がつながっていない。種子島と屋久島はつながっている。おしい。

沿岸小型船舶への変更はNTPマリーナ高浜に帰ってきてからじっくりと取り組むことにしよう。
それにしても、法律はややこしい。沿海仕様に変更するための規制もいろいろと矛盾があるようだ。

スカイセール

2008年1月28日、SkySailというパラグライダーのようなセールを船首につけた大型貨物船がいよいよドイツを出航したそうだ。燃費を10−35%引き下げるとか。

石油が枯渇する日はいずれやってくる。となれば石油に代わる代替エネルギーが必要になる。そのとき、風は有力な代替エネルギーの候補になるに違いない。
ただ、完全にエネルギーが風に置き換えられることは考えられない。石油が枯渇するまでは、車と同じように、石油燃料と電力や風力で走るハイブリッドなボートがでてくるだろう。

風を利用する方法としてはこうした方法が有力なのかもしれない。
風のヨットを倒そうとする力に対抗するため、ヨットには船底に重いキールがある。するとそれが抵抗となって速く走れない。

ボートは水の抵抗が小さいが、ボートにマストを立てて風を受けるのは危険だ。すぐに転覆する。
SkySailは順風ならば風を効率的に利用できる。図で示すように船を倒す力が小さく安全でもある。

将来、スカイセールがプレジャーボートにも搭載される日が来るのかもしれない。だけどそんな日はスカイセールが海に落ちたり、
ワイヤーを他船が引っ掛けたり、強風でセールが下げられず、どんどん引っ張られて座礁したりといろいろとトラブルが増えそうでもある。

http://www.skysails.info/

スーパーヨットとスカイセールスカイセールのテクノロジー

船はスポーツだ

昨年までは部屋の中に健康器具がかなり溢れていた。ところが昨年の後半からかなりそうした器具が減った。
まみちゃんが昨年夏から始めたホットヨガが合っていたということが大きい。
だがボート暮らしが始まったことも大きい気がする。部屋の中で癒されるよりも海に出れば<癒される>というリフレッシュとはレベルが違う。
<生まれ変わる>というリフレッシュだ。

ダイエットで成功するコツは楽しみながら長時間できる健康的な活動を見つけることだ。
適度な運動・規則正しい生活・健康的な食事がポイント。
こうした活動を都心の生活だけで行おうとすると毎日スポーツジムに通わなければならない。

毎日少しずつ、一歩一歩進めることが成功の秘訣。そのためには楽しめる運動を見つけることがポイントだ。
僕はボートはかなりダイエットには良いと思っている。実際のところヨットマンやフィッシャーマンでメタボな人をあまり見かけない。
海の上ではしょっちゅう動き回るし、操船中はほとんど立ち姿勢をとる。落水しないように必死でロープに捕まる。
ボートに乗っているだけで様々な運動を強いられる。船をやりだすと、生活全体がアクティブになる傾向があるのではと思う。

お菓子などの間食から遠ざかることもできる。マリーナでお茶とケーキを食べようと思っても3時間のクルージング。気軽ではない。車とは違う。

シーレイはかなりハードで、1日乗ると必ず筋肉痛になる。
波をバンバン乗り越えるのでパンチングやその際に上体や下肢のバランスをとったり踏ん張ったりする。
背筋をしっかり伸ばしていないと腰や首が疲れてしまう。
つりをやる人の運動量はもっとすごい。

もっとも、シーレイで三河湾の篠島に行って旅館で食事をしたときはあまりの鮮魚の多さにダイエットを失敗してしまった。
船はを下りたときの料理のうまさがダイエットに問題ではある。

もし現役を引退したらボートで暮らす時間が長くなると思う。一級も合格した(自己採点の結果、そう思う)ので、航海の範囲も夢が広がる。
現役のときもなんとかルキアの中から仕事ができるよう、ハイテク機器を搭載してインターネットにアクセスしやすくできないか・・・。いろいろ考えてしまう。

ウォーターフロント

数年前までは市内の住宅街の一戸建てに住んでいた。今は都心の賃貸マンションをオフィスとして使用している。そのマンションの一部を「間借り」する形で「寝室」の中で生活している。

オフィスの中に住居があるので、ソフトウェアのプログラマにとっては非常に有利だ。
昔いっしょに仕事をしていた仲間が東京のソフト会社に勤務していたとき、彼は会社に寝袋を持ち込み半年以上も家に帰っていないという生活をしていたという。
そうしたい気持ちはよくわかる。ソフトは時間をかければ良いものができるとは限らないが、時間をかけずに良いソフトを作ることは無理だ。
マンションを会社にしているので、寝たいときに<ベッドで>寝ることができるし風呂もある。食べ物も作れる。作るのが面倒なときにはレストランにいけばよい。

仕事が終わるとヨガに行く。マッサージに行く。深夜までやっている店が多いので気が向いたら飲みに行くこともできる。仕事で無理をしてもストレスが少ないため、体が悪くなりにくい。
飲みに行くとまみちゃんはビールに始まり、チューハイ、ワインなどなんでもOKだ。といっても自分はオレンジジュースかお茶。

一戸建てを立てることが目標だったが、今は賃貸生活のほうが便利でセキュリティも高く、リスクもなく快適だということを知ってしまった。

残念なのは名古屋のオフィス街が海から離れていること。名古屋港のウォータフロントは神戸、東京、横浜からかなり遅れをとっている。名古屋港は夜になるとほんとうに人がいなくなってしまう。いっときにぎわった港のレジャー施設も今は下火になってしまった。

NTPマリーナ高浜は高速で45分で行けるとはいえ、できればオフィスから見えるところにボートを置けるといい。

カナダのトロントをまみちゃんと歩き回ったことがある。
夜になるとトロントの中心街ユニオン駅の南にオンタリオ湖につながるハーバースクエアがあり、ロック大会などのイベントが行われる。
まみちゃんとハーバースクエアの隣のイタリア料理店で海とボートを見ながら飲んだ。僕はオレンジジュースだったけれど。

名古屋がああいう町になることは絶望的だが、そういう市長が出てくれば案外簡単に実現するものなのかもしれない。
ウォーターフロント・・・今は死語となってしまった。

合格で満点採りたい見栄のうち

今日は一級小型船舶操縦士の学科試験だ。

早めに入っておさらいでもするかと、試験の集合時間よりも早く会場に入った。一番かと思ったら、先客がいた。

座っていた受験生は見るからにヨットマン。しかも金髪だ。
金髪といっても染めたのではない。地毛。白人のヨットマンだ。
着古した黄色のヘリーハンセンのジャケットを着ている。破れたところをパッチしてあったり、樹脂で固めてある。
いかにもヨットがうまそうだ。形から入りやすい僕は簡単に圧倒された。

「おはようございまあす」
と彼から声をかけてきた。流暢な日本語だ。しまった。先を越された。
「おはようございます。」
力なく返事した。ボートに乗っているとなぜかヨットマンに気遅れしやすい。しかも外国人にはどうしても英語で話さなければという意識があるのでつい寡黙になってしまう。

試験前だからちょっと教科書でも見て勉強をと思ったが、彼がしきりに話しかけてくる。無視するのも悪いので当たり障りのないことを聞いてみた。日本語で。
「ずっとヨットに乗っているの?」
「そう。友達がね、モーターセーラー持っているのでしょっちゅう乗っている。免許いらないんだけど、まあとっておこかなあと思って。」
「日本語うまいね。」
「19年日本で生活してる。でも、実はこの1級の教科書や問題、半分くらいはわからない。」
「あ、・・そ、そうだよねえ。」
「でも、4つの答えの中で3つが正しければ間違っているのを選べばいいし、正しいのが3つあれば間違っているのを選べばいい。あやしいのが2つあるときは困るけど」
「確かに。」
「まあ、1点でも基準を上回っていれば合格だから。それ以上とっても意味ないよ」
そのとおりです。参った。一級の免許が取得できたからといってボートがうまくなったり安全意識が高まるわけではない。
彼は「この身体検査は、利益率がいいねえ・・」とか試験のありかたについて皮肉たっぷりにしゃべっていた。

彼は蒲郡のヨットハーバーにいつもいるということなので、今度、遊びに行って声をかけてやろう。

試験の制限時間は70分。14問のうち、3問が海図問題。
作戦は海図問題をとりあえずとばし、運行問題から全部やり、じっくりと海図に取り組むというもの。
あっという間に運行の問題が解け、あせることなく海図問題を解けた。
出たのはほとんどやったことがある問題。問題集を一通りやり、模擬試験を3パターンやった人は恐らく落とすことはないと思う。
逆に、教科書を全部読んでいても問題をやっていない人は危ないかも。

問題を解く→わからなければ教科書を調べるというパターンが最も効率がいい。

波という字を見ただけで血がさわぎ

海の底は暗岩、沈船があり、自転車や時にはバイクなどのゴミもある。海面からはわかならい。
風や波でマリーナに帰りたくても押されて帰れないこともあった。
どこを走ってもいいけれども、そこは奈落の底の入り口だったりする。
風が強くても、気温が低すぎても乗れない。海は不自由だ。

だからこそ、かえって自由を感じる。

はじめに原付の免許をとったとき、ものすごく自由を手に入れた気がした。
どこにでも自らの意思で行けるという確信。北海道も九州も目の前の道路はそこまでつながっているという確信だ。
高校のとき、同級生が長野県まで原付でツーリング旅行に行ったときの「大冒険談」をうらやましく聞いたことを今でも思い出す。

バイクから車になったとき、そうした身震いするような世界の広がりは感じなかった。
スピード、走行距離、快適性、コーナリング性能・・・どれをとっても上回るのに。
だから車暦は走る一体感にこだわることになった。自分で走っている感覚を失ってしまったら自由の感覚を根こそぎ喪失してしまう。

久しぶりに・・それこそ30年以上ぶりにそういう自由になった感覚を船で味わった。不自由なのに。
船が車のように快適で安全で早くて静かな乗り物だったら、自由の感覚は遠のくに違いない。

フリーダムは「制約からの開放」というだけではないらしい。

海の風体を吹き抜け目も癒す


ぼくの仕事はある分野の業務パッケージのプログラム。小さな会社なので設計からプログラムまで自分たちで全てこなす。

「プログラマです。」
というと人は反射的に
「ITですかあー。頭がいいんですね」とほめてくれるが実際はそうでもない。

製品の開発から何年か経って、後で修正の必要があってプログラムを見ると、これからやろうとした対策がすでに打たれていたりする。
本人はまるで覚えていないので、非常にびっくりする。確実に過去の自分の方が賢いことに打ちのめされる。
そんなときはすぐに<若年性認知症>を疑う。仕事をする必要がないことを喜ぶ前に、ゾっとする。

頭痛がしても、肩こりがしても、目がかすんでもすぐに若年性認知症ということばが思い浮かぶ。
渡辺健さんの「明日の記憶」を見たせいなのかもしれないが、確かに、昔と比べて物覚えは絶望的だ。

海に出ると、目がよくなるというのは本当かもしれない。
師匠のヨットとかシーレイ230DAに乗ると、水平線の向こうの方を一生懸命見る。
もちろんGPSはあるが実はあまり見ない。海を懸命に見る。遠くの島を見る。ブイを見る。浮いているものを見る。小さな船影がオンコースなのかどうかを見る。
そんなことを続けていたら、目が良くなった。と思う。

ただ、記憶力の方はよくなったという実感はまったくない。ますます心配になってきている。

ブログを書いておくと、あのときあそでまみちゃんがこういうおかしなことをしたという事を忘れないので面白さを何度も味わえる。

禿さえも選んで暮らす時代かな

自分では気にしていないといいつつ、ものすごく気にしてきたのがハゲ。ここ数年、認めたくはないが、かなり進んでしまった気がする。

95日前からフィナステリド(Finasteride)を引用し始めた。知る人ぞ知る<ハゲを治す薬>だ。これは海外ではジェネリック医薬品。1箱100錠。

僕の「ヘヤースタイル」に対する最近のまわりの反応は「髪の毛が濃くなりすぎて違和感があるう!!!!」だ。こうまで言われてしまうとうれしさ半減だがもう止めるつもりもない。
かつらは高い。それに絶対にバレると思う。それに比べて毛が太くなり、生えてくるのだからすごい。

本来ならば医師の処方を受けて飲む。僕もそうした・・・・のではない。まみちゃんが、
「そういう薬は海外から個人輸入で買えちゃうんだよおおお」
といながらパコパコパコピイ・・・とインターネット注文して手に入れてしまったのだ。もちろん、成田では検査のために長期間足止めを食らうけれども。

だいたいまみちゃんは美白の薬、やせる薬、サプリメントなど海外薬品や健康食品には異常に詳しい。自分の顔で実験しまくり、白くなってはシーレイで丁寧に元の色に戻している。
船は美白には天敵だって。

このフィナステリド、日本では医師の処方に従って飲むのが建前だが、個人輸入ができる。100錠で4000円〜10000円。1日1錠だから50円〜100円もあれば足りる。
残念ながらどこのサイトから仕入れるべきかは言えない。薬事法に触れそうだから。自己責任で選んでほしい。
安易な使用法はせず、間違った使用法にだけは気をつけるように。特に女性やこどもが飲むとやばい。スポーツ選手はドーピング剤として認定されているから注意。
副作用については厚生労働省またはWikipedia等を調べてほしい。

10年後にはハゲは選ぶ時代になると思う。そのときハゲている人を見たら人は彼をナチュラリストと呼ぶだろう。
<バーコード頭>は恐らく平成という時代を象徴するアイテムのひとつになっている。
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Profile

まーくん

2007年の夏に二小型船舶級をとりました。2008年1月一級に合格。
かみさんと娘の3人家族。
核家族なのに車、バイク、ボート、自転車、インラインスケートなど誰がどのように乗りこなせばいいのかわからなくなっている乗り物馬鹿。
2008年5月小樽〜横浜BMへの回航が成功。これからも長距離クルージングを追及していこうと考えています。

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