プレジャーボート航海記

SARGO31 で楽しむファミリーマリンレジャーと船旅ブログ。以前乗っていた同メーカーのMinor29DCで行った日本沿岸の旅もご紹介。

2009年07月

ジェットラーグさんとクルーズ

7月5日はアメリカからジェットラーグさんが日本に来た。娘さんもごいっしょだった。
そこでYBMまで足を運んでもらい、ルキア号で油壺のシーボニアまでクルーズしていただいた。楽しい一日だった。

ジェットラーグさんは上級のパイロットだ。飛行時間は14000時間以上。野球で言えばメジャーリーグ。それもトップスタークラス。日本で行われるある重要な会議に出席するためにやってきた。その合間を縫ってクルージング!それも初対面の人と、カヤックを積んだ怪しいボートで!といわれてもしかたないような状況だが、それが可能なのがブログの不思議なところだ。

まみちゃんは飛行機に乗ると、離着陸は必ず涙目になるほど飛行機が怖い。だから命を託す機長をいつも尊敬している。

どんなに乱気流の中に入っても、
「大丈夫ですよ」
といつもアテンダントの人に言葉と笑顔で支えられている。
まみちゃんのそんな話をしたら
「あれはマーケッティング」とジェットラーグさん。乗員は常にお客様に安心を与えなければならない。例えばエンジンが停止しても、計器が落ちてしまってもお客様には大丈夫であると伝えるとのこと。

「たいへんな事態ではあるけれども、その一方で、大丈夫だという確信もある。例えば、自分はエンジンがボンボンと爆発して火災が発生し、片方のエンジン停止した経験もある。そんなときでも、それまで何度もシミュレーターで経験しているので、決められた手続きを手順どおりこなしていける。だから大変だとは思わない。大丈夫だと思って対処する。」
と言っていた。<大丈夫ですよ>はことばだけのマーケティングではない。

飛行機は空中で止まれない。燃料は刻一刻と減って行く。止まって考えられないからすぐに判断しなければならない。ボートとはそこが違うともいう。ボートやヨットにもシミュレーターがあるといいと思った。あるのかもしれないけど。

ジェットラーグさんの船はシーレイの31。これは奥様が決めたそうだ。
アメリカの船は概して女性に選択権がある。エクステリアのデザイン、内装、家具の品質、色のコーディネーション。まるで家選びの感覚だ。

アメリカの場合、まさにボートは家であり、ボートを購入すると税制的にもローンが減税対象になるらしい。ただし、そのボートにはギャレーとトイレがついていることが条件。生活することができるから住宅ローンとして見なされるということか。日本でも考えてみたらどうだろう。景気対策にもなるかも。もっとも、トレーラーハウスも日本では家としてみなされないから、先は長い。そういえば昔、まみちゃんが起業したころ、家はコンテナハウスにしようか、トレーラーハウスにしようかといろいろ調べたっけ。そのときローンが組めないのであきらめた経験があった。

日本でもこのところ
FR−23
FR31の豪華バージョン
トヨタのポーナム28L
ヤンマーEx33
など、クルーズ性能や釣りの性能をスポイルせず、内装にも力を入れ始めたボートがぼちぼち出始めている。兆しはあると思う。ファミリーがコンセプトとなれば今後、女性が選択権を握ることは間違いない。

ジェットラーグさんはボートを購入すると、すぐに次のボートを考えるという。うらやましい。もっとも、実現するかどうかは奥様次第だが。

ジェットラーグさんが次に考えているのはロングクルーズができる船だ。娘さんのひとりはすでに大学に進学。来日したジュリアもいろんな大学を検討中とか。二人とも大学進学となれば、アメリカの大学は全寮制だから残るのは奥様と二人。そこでマリンスポーツ中心のシーレイからロングクルーズ船に興味が変わるというのは良くわかる。

ジェットラーグさんが興味を持っている船は
ノードヘブン http://www.nordhavn.com/
ノルディックタグ
アルビン
ミノア(それでこのブログにたどり着いた)
みなSALTYな船だ。(ソルティとは日本語で渋い船)
ぼくも思わず、うなずいてしまった。

山ほど船談義をして、あっという間に一日が終わった。
いっしょに来たお嬢様はずっといっしょに船に乗ってくれたが、たいくつそうで申し訳なかった。みさきがバイトで一緒ではなかったが、日本語がしゃべれない子と英語がしゃべれない子が遊ぶとどうなるのだろうか。

とてもきれいなお嬢さんで、YBMのイタリアンレストランのブルスケッタのスタッフも、そのかわいさにびっくりしてたよ。みさきもかわいいと思ってたんだけどねえ。


Taka&Markn海上自衛隊の船イタリアンレストランでルキア号の前で

恐るべし、GARMIN

先ほど、横浜ベイサイドマリーナへ行ってルキア号の工事の様子を見てきた。今度のレーダーの取り付けは、

既存のマスト灯用の柱に支柱をつけて強度を上げ、そこにフルノのレドーム型のレーダーを取り付ける

というスタイルとなった。それをしないと、レーダーが重く、パンチングしたときにもたないとのこと。工事は今日中では終わらず、来週中に動くということになるらしい。残念。
明日は、シーボニアあたりまで遠征するのはどうだろう。

ジェットラグさんからGarminのレーダーを自分で取り付けたというコメントをいただいた!すごい。

GarminのWebサイトを調べてみると、驚いた。Raymarine社以上にマリン機器のネットワーク化が進んでいる。
アメリカはモジュールどうしのインターフェース規格をつくり、機器をネットワークさせて使う技が強い。日本は弱い。

パソコンはアメリカの規格。パソコンの場合、どのメーカーのパソコンを購入してきてもどのメーカーのプリンタともつなぐことができ、メモリやSDカード、カメラなど、USBに差し込むだけで動く。これは便利だ。

船の場合も、GPS、レーダー、オートパイロット、風力計など、どのメーカーのものを取り付けても簡単に動くといい。

レーダーから発せられる情報を交換して、船どうしが交信して、
相手がどの方向に向かっているのかとか
故障して助けを求めているのかとか
いろんな船の情報をリアルタイムで知り合えたらいい。

船上からGPS上のマリーナをクリックすると、
マリーナに停泊する予約ができるとか、
ホテルの予約も可能とか、
漁港のお奨めの店がインターネットを通じてダウンロードできるとか
ハンディのGPSを持ち出して歩くと、マリーナからその店まで道案内してくれるとか

そうしたことができるといいのに。

ルキア号の機器はすべてスタンドアロン。オートパイロットもレーダーもGPSも勝手に動き、情報交換しない。
もちろん、日本製のレーダーも、個別にはそうしたことをやれるようだが、どのメーカーもバラバラに動いているようなので、パソコンのようにどのメーカーのものを購入してもOKというわけにはいかない。

パソコンの世界ではモジュールどうしをつなげるネットワークの規格でことごとく日本は敗れてしまった。船もそうなりそうだ。
このあたりの見通しについて、ジェットラグさんに聞けそうなので明日聞いてみようと思う。

ジェットラーグさんが日本に

アメリカ在住の航空パイロットであるジェットラグさんが国際会議に出席するために日本にやってくるのだという。かっこいい。
「自分でジェット機を操縦してくるの?」とまみちゃん。うーん、それはないだろう。

忙しい会議の合間をぬって、日曜日にお会いすることになった。ものすごく楽しみだ。
まだお会いする場所ははっきりとは決まっていないが、横浜ベイサイドマリーナになると思う。
「ルキア号もみたい」
とのことだったので、ルキア号にもご案内しなければ。掃除、掃除。洗艇、洗艇。
むさくるしいところですが、よろしければ・・・。

お嬢様も日本語教育もあって日本にいらっしゃるみたいだ。

ジェットラグさんは日本人だから、ひょっとしたらバイリンガルの女の子とは思う。僕は外国から来た人と話すときは下手な英語をしゃべりたがる癖があるので、へんなおじさんと思われないように分をわきまえなければ。

かといって、僕が流暢な日本語をしゃべることができるかというとそれも怪しい。講師で話をするときは、最初のうちは標準語のつもりでも、30分くらいたって、話が波に乗ってくると、たいていひどい名古屋弁になっている(らしい)。もちろん河村たかし市長のように下品な名古屋弁ではないが。まみちゃんも、プレゼントを何にするのか、あれこれ考え、盛り上がっている。

オカザキヨットのジュニアから沿海仕様への仕様変更手続きの請求書が来た。法廷備品を除くルキア号改造の費用と、申請手続き料は代行代も含めて20万円くらいで納まった。
あと、全国の詳細図が入ったGPSプロッタ魚探は不二ロイヤルの新古品となり、13万円弱で済んだ。これはラッキーだったかも。これで、安心して遠くへ行ける。

今進行中の作業は、ルキア号にプレジャーボート用レーダーを取り付ける作業。FURUNOの。レドーム型のアンテナだけが中古で後は新品。
例によってまみちゃんがいろいろと価格交渉を行っている。レーダーの取り付け台もまた親方がつくるのだそうだ。どんな形になるのか楽しみだ。

おっと、レーダーの取り付け工事はジェットラグさんの来日にまにあうのだろうか。

母親とボート

今母親は80歳。体のいろんなところに爆弾を抱える。ここ数年、めっきりと体力が衰えてきた。

母親が血液の病気を抱えているのはもう30年になる。先日、その母親が倒れた。妹がたまたま母親の側にいたので、助かった。

原因はいよいよ造血機能がおかしくなりつつあること。極度の貧血になって目の前が真っ暗になった。妹から知らせを受け、急きょ横浜から夜中に車を飛ばし、名古屋まで帰った。

ここ数ヶ月、こうしたことを何度か繰り返し、定期的に輸血さえすればなんとか今の生活が維持できることがわかり、僕達は横浜に戻っている。関東圏で仕事をしないと経済的にまずいことになることもあって。

まだ、「介護」というほどではないが、細々とした身の回りのことは今は妹の世話になりっぱなしだ。ほんとうに家族はありがたい。

ボートやヨットにのっている人は僕よりも少し年上の団塊の世代以上の人が多く、認知症のケアなど、より大きな介護の問題を抱えていらっしゃる人が多い。僕の場合、「未曾有の不況」もボートに乗れるか乗れないかを左右するが、家族の介護問題は、生活基盤の根底から大きな影響を与えるから、介護でまた<船がピンチ!>になってしまう。そもそも、介護をするために、仕事の仕方を変えなければならないかもしれない。介護問題は経済問題でもある。

一昨年、シーレイ230DAを購入して海でピョンピョンはねていたとき、母親に
「ボートに乗って魚を食べに行く?」
と、半ば冗談で聞いたら
「行きたい、行きたい」
といっていた。それで、計画をしてみたが、シーレイはあまりにも極端に海を跳ね回るし、乗り降りが厳しいのでちょっと心配になり、イベントが延期になってしまった。その後、母親は急速に体力を落としてしまった。

今は波切りもよく、乗り降りもしやすいミノア29だが、今の母親の状況ではミノア29も難しい。ためしに、半ば冗談で東京湾から大島あたいまで乗ってみるかと聞いてみると
「うーん、今はねえ」
と消極的になっていた。当たり前だが。

ただ、母親は典型的な日本人なので、「ボートに乗りたいか?」と聞かれれば、僕が喜ぶと思ってそう答えるところがある。人が喜ぶことが嬉しいのだ。
そんな演技?かもしれないことを百も承知で、あのとき、無理して暴れるシーレイに乗って波しぶきの中を走っておけば良かったと思う。

みさき 久しぶりに家でくつろぐ

今日はひとり娘のみさきが久しぶりに家に帰って来た。女の友達と共同生活を始めてだいたい3ヶ月になる。

専門学校の授業料と家賃以外は親の世話にならないということで自分達で下宿し始めた共同生活だったが、なかなか目標が達成できない。

若い人たちにとって、今の世の中はとてつもなく厳しい。なんせ、仕事がない。とうとう全国平均で失業率が5.2%となった。鹿児島は有効求人倍率が0.22だそうだ。関東圏はそれほどではないにしても、自分がやりたい仕事を見つけるのはなかなか厳しい。

みさきはこの3ヶ月、いろいろとバイトを変えた。交通費よりもバイト代の方がかかるような仕事もあったらしい。お金を使うのがもったいないのであまり食べておらず、随分スリムになった。本人は喜んでいるが。

今の仕事はマンションのコンシェルジェ。親から見ると、みさきには到底不可能と思われるような仕事だ。だけれども、マニュアルがあり、教育があり、スキルアップの試験があったりして、経験がなくてもなんとかできるような仕組みができている。バイトの時間がもらえないので、収入が少なくて稼ぐのは難しいようだが、ありがたいことだ。

マンションの住人であるお客様には気に入られているようなので安心した。特におばあちゃん達には。家が仕事場であったせいか年配の人とはなんとかうまくやれるが、若い人との関係をつくるのはそれなりに苦労しているようだ。

自分の学生時代はどんな仕事でもやりたければできた。当時、世の中に普及し始めたパソコンを使えばどこにでもビジネスチャンスがあった。能力のあるやつは学校にも来ずに起業した。今の若者はそういう時代と比べると、あまりにも苦しい。起業といってもなにか投資を得ることが目的のような起業だったりして面白みがない。かといって、バイトから正社員と言っても道は遠い。

夜遅くまでいっしょにデスノートとかブリーチを見たり、やり残した仕事をまたやり始めたり、「しろくまアイス」を3人で食べたり、iPodにダウンロードしたExileの曲を無理やり聞かされたり、

みさきが帰ると3人でいっしょに生活していた怠惰な生活ぶりに一瞬で戻る。
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Profile

まーくん

2007年の夏に二小型船舶級をとりました。2008年1月一級に合格。
かみさんと娘の3人家族。
核家族なのに車、バイク、ボート、自転車、インラインスケートなど誰がどのように乗りこなせばいいのかわからなくなっている乗り物馬鹿。
2008年5月小樽〜横浜BMへの回航が成功。これからも長距離クルージングを追及していこうと考えています。

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