プレジャーボート航海記

SARGO31 で楽しむファミリーマリンレジャーと船旅ブログ。以前乗っていた同メーカーのMinor29DCで行った日本沿岸の旅もご紹介。

2009年08月

四葉のクローバー

少しの毒物はかえって生体にとって有効となるという考え方だ。ラジウム温泉療法はほぼこの考え方に沿っている。ところが、ホルミシスの効果については科学的には証明されているものではない。
やわらぎの湯の岩盤浴の案内では、強いところで自然界のだいたい8倍。通常のところで約2倍。入る時間は強いところで10分。弱いところで30分となっている。
私たちは、地球上の普通の場所で生活していても、やわらぎの湯の岩盤浴で受ける被爆量よりも多くの放射線を体に受けて生活しているのだ。
そうしたことからも、やわらぎの湯の放射線がガンの治療に効くと考えるのは難しい。

科学的な検証の手続きでは二重検盲試験というものがある。
A ひとつの部屋はラジウム線が実際に出ている部屋。
B もうひとつの部屋はラジウム線が出ていない部屋。
医者にも患者にも実際にラジウム線が出ていることにして、ガンを患っている患者さんを無作為に割りつけ、どちらかの部屋に入っていただく。
そうした上でラジウム線の効果を検証するのが二重検盲試験だ。
こうした検定をしなければ、本当にラジウム線の効果があるのかどうかは証明できない。

でも、僕はAB両方の群で大差なく効果が出ると予想してしまう。
それまでのストレスフルな生活環境から離れ、温泉に入り、野菜たっぷりの食事を食べるわけでしょ。

やわらぎの湯に来る典型的なパターンは
「医者に余命何ヶ月といわれ、手の施しようがないと診断された。そこで最後の望みを託してここに来た。そうしたらどんどん元気になり、もう3年になる。」
というもの。こうした人がかなり多いのは事実だ。

もちろん、良くなって良かったなあと僕は思う。そして、そうした状況がまみちゃんにも起きて欲しいと思う。ただ僕は、
1 そもそも、患者が受けたアメリカ式の余命告知は正しかったのだろうか
2 また、それまで受けてきた抗がん剤の治療は正しかったのか
という疑問がわいてしまう。

医者から宣告された余命告知が正しかった人は残念ながら、やわらぎの湯に来られない。余命告知が正しくなかった人、つまり、余命何ヶ月という「診断」が間違っていた人だけがやわらぎの湯に来る。

僕は、やわらぎの湯がいんちきだ、といいたいのではない。医者が行う余命告知に問題がないかといいたいのだ。

余命告知は本来、診断ではない。ところが、患者からすれば、ガンの診断よりも重要な情報だ。患者はそこを聞きたいのだ。その重要さが医者にはわかっていないのではないかと思う。

もっといえば、日本で行われている標準治療がほんとうに全てのガン患者にとって最適であるか疑わしい気がしている。診断から、施術にいたるまで様々な選択肢があり得る。しかし、日本の医療事情はこうした選択肢を患者に提示できるシステムになっていないのではないかと思う。

生体には常に遺伝子情報に傷がついた細胞が生まれているという。それはストレスとか薬品とか、毒物によって促進される。アルコールやタバコも。乳がんの場合は乳製品も疑わしい。

ガンは自己免疫力勝負の病気だ。
本来、生体に備わっている免疫システムは遺伝子情報に傷がついた細胞を異物として排除する。ところがそれができていない状態で放置されてできたのがガン細胞だ。

実際には重篤な状況であっても、患者が「生きることができる」という自身を持つことによって、免疫力が高まっていき、ガンを克服するということだってないとは言い切れない。
患者どうしが励ましあうことで連帯感が生まれる。
一人で戦っているのではないという気になることによって意欲もわく。大量に水を飲み、汗をかくことは人間のホメオスタシス機能にとっていいことだ。それまで眠っていた免疫機構が目覚めるのかもしれない。

免疫システムには生きる意欲が大きな影響を与えると思う。もし余命告知が間違っていたら、間違った告知によって患者の生きる力を奪いかねない。
日本の医療には、重篤な疾患を患っている人に対して、生きることを支えたり、勇気づけたりするシステムが不足していないか、と思う。

明日でここに来て10日目になる。
ロッジからやわらぎの湯まで3kmくらいの道のりだが、歩いて通うことが多い。
県道から外れて田んぼ道を歩いて通う。会津の田んぼ道はとりわけ美しい。とんぼもこの1週間で急に赤くなってきた。
まみちゃんはここへきてからも、多くの人たちに声を掛けられる。
途中、運転手さんや他の利用者の人たちが車に乗って僕達を追い越していく。そのとき、車の中から僕たちを見つけて手を振ってくれる。どこへ行ってもまみちゃんは人気者だ。

僕は途中で四葉のクローバーを2回も見つけた。いいことが起こると思う。

まみちゃんの乳がんの状態は・・・大きさが小さくなってきている。だいたい半分くらいになっていると思う。
やっぱり、奇跡なの?

明日はまた超高濃度ビタミンC療法を受けるという。

癌の代替治療

梅雨が終わったと思ったらいきなり秋空で、ボートの夏はどこに行ったの?という2009年の夏。

乳がんの宣告を受けたまみちゃんはロングクルーズの予定を急遽変更して、オルタナティブな癌治療を本格的に開始した。もっか、福島の田代市三春町で3週間の癌のキュアプログラムに取り組み中だ。あわせて、超高濃度ビタミンC療法を行っている。

ぼくはまみちゃんにつきあいつつ、癌治療の合間に仕事をしている。ひょっとすると、僕の中にある未発見の癌の治療になっているかもしれない。

ルキア号でクルーズするのはこのプログラムが終ってからだ。

●まみちゃんの治療プログラム

まみちゃんの乳がんは
1 腫瘍 レベル5の悪性
2 段階 ステージ2
3 転移 不明(検査途中で中止)
4 診断 横浜市立大学病院
というもの。横浜市立大学病院での標準治療(切除、抗がん剤、放射線)を拒否し、ラジウム温泉治療と超高濃度ビタミンC療法を選んだ。
治療方針はまみちゃん自身がインターネットで検索し、意思決定したものだ。

●癌の標準治療

抗がん剤は副作用が強い。
抗がん剤の延命効果についてはエビデンスは認められるものの、延命効果が認められる人の割合は5%〜10%程度。
ただし、日本ではほとんどの人が標準治療を受けている。
乳房は他の内臓とは異なり、医師にとっては容易な手術だが、安易に切除されすぎているという批判もある。

●治療の概略

1 ラジウム岩盤浴「やわらぎの湯」で転地療法を開始
2 期間 2009年8月22日から9月12日まで
3 郡山市にあるクリニックで超高濃度ビタミンC療法を合わせて施術
4 日課
05時30分 ロッジで起床
06時30分 やわらぎの湯で岩盤浴
07時30分 朝食
10時30分 超高濃度ビタミンC点滴療法
12時00分 散歩・ティータイム
13時00分 岩盤浴
14時00分 仕事
17時30分 食事
18時00分 岩盤浴
20時00分 ロッジに帰宅

●やわらぎの湯について

医療機関ではないので、「療法」ということばは一切使っていない。また効果があるとは喧伝されていない。
しかし、利用者のほとんどが明らかに癌の代替治療機関でやわらぎの湯を利用している。

治療プログラムは以下のとおり
1 岩盤浴
  ラジウム線が検出される
2 温泉浴
  ラジウム線が検出される
3 霊水
  岩盤浴中に発汗するために水分補給のために利用する。ラジウム線が検出される
4 食事 
  野菜と果物、魚介類、肉料理、魚料理、五穀米やの料理をバイキング形式で選択。野菜を多量に摂取できる。
5 集団療法
  癌の体験談や情報交換を食事中に他の利用者と行う。
  ときどき、個性的な社長の話やヨガの先生の講話を聞く。

●超高濃度ビタミンC療法

ビタミンCが栄養素であることは誰でも知っている。
超高濃度ビタミンC点滴療法はビタミンCを血清中に400mg/dlになるようよう点滴すると、ガン細胞付近で発生する過酸化水素によってガン細胞が死滅するという現象を利用する療法。
重要なのはビタミンCが正常細胞にはなんら悪影響がないという点。ここが抗がん剤とは根本的に異なる。
ビタミンCはまだ抗がん剤としては正式認可を受けていないが、認可を受ける可能性がある。

参考 超高濃度ビタミンC点滴療法 水上治

まみちゃんは、郡山のクリニックでこの療法を受けている。
とりたてて副作用はないが、強いて言えば施術によって血管痛が少しあるという。
あと、帰って来たとき、顔がむくんでいた。

超高濃度ビタミンC点滴療法はボートで真っ黒にやけた肌の「美白」にも使いたいと思っているのでちょうどいいらしい。

●やわらぎの湯の利用者

宿泊客は1日だいたい150人前後?日帰り客は50人前後。3〜4泊の利用が中心。
お盆や連休はこの3倍にはなる。

やすらぎの湯では癌の治療に効果があるという人がリピーターとなっている。癌で亡くなられた方や効果がなかった方はリピーターにはならない。
したがって、やわらぎの湯の利用者によるやわらぎの湯の効果の声にはバイアスが掛かっているのは当然だ。
しかし、効果がある人がやたらに多いのは無視できない。
ほとんどの人が抗がん剤の投与経験を持つ。まみちゃんのように、標準治療が未経験の人はおそらくいないのではないか。

なぜ免疫システムが異常になるのか、またそれをどうやって正常化するのかについてはまだわかっていないことが多い
日本で行われている癌の治療は基本的に対症療法だ。免疫システムを正常化することを目的とした治癒ではない。

ラジウム線の癌に対する治療効果は再現性が確認されていない。それどころか、ラジウム線には発がん性があることが知られている。
ただ、やわらぎの湯はなんらかの望ましい効果があることは間違いない。免疫力が高まるような気がする。

効果の要因としては
1 温熱療法としての効果
2 ラジウム線の効果
3 転地療法の効果(温泉、景色、食べ物、仕事、花火大会、ブルーベリー狩りなどのイベント)
4 集団療法の効果
5 食事の効果

ラジウム線によって小さな異変が体全体で発生し、それまで不活性になっていた免疫システムが覚醒するという解釈が成り立つのかもしれない。
体温が上がり、発汗し、水を大量摂取することによって、基礎代謝が上がり、食事が進み、必要な栄養素を補給できるようになるのかもしれない。
循環系の機能が高まるのかもしれない。
ストレッサーとなる生活環境から逃れることによって体調が好転するのかもしれない。

癌の体験者による闘病生活の体験談を聞くことはよいことだ。
恐れや不安から解放される。今や男性の半分、女性の3人に一人が癌にかかる。日本人の死因のトップ。ひとりで悩んでいるとそれがストレスになり癌の原因になるかもしれない。
ここに来て、他の利用者から様々な情報を得ると「癌は当たり前、癌は治る病気」と思える。

僕達は猟犬を伴って利用されているご夫婦と仲良くなり、ハンティングのいろんな面白い話をうかがうことができた。
利用料金は岩盤浴の利用についても500円とリーズナブル。宿泊料も高くない。僕達はロッジを利用するが一泊6500円で、他の個室と価格設定が変わらない(ちょっと不思議)。
ただ、利用者の平均年収は比較的高いことが予想される。

やわらぎの湯の社長は「やわらぎ観音様の御利益かなあ」という。もちろん、否定しない。

●効果

まだわからない。ただ、乳がん癌が小さくなってきたような気がする。
生活はすこぶる快適だ。

●日本の医療について

日本の癌治療は遅れているらしい。

日本の医療は30兆円を越す。これは医療保険でまかなわれているため、国家予算とは別立てだ。詳しい数字はわからないが、癌患者に対する抗がん剤等の治療や無駄な手術で膨大な予算が使用されていることは疑う余地はない。その金額は、3兆円とも4兆円ともいわれている。
(厚生労働省発表の平成18年の国民医療費では悪性新生物の医療費は2兆8千787億円で全体の11%を占めている)

抗がん剤は莫大な利権だ。安価に合成できるビタミンCにとって代わられたら製薬会社はたまったものではないだろう。

ガン退治は温熱療法か

ロングクルーズは難しい。

今日あたり横浜ベイサイドマリーナにフィンランドから空輸された穴の開いたルキア号のマフラー(?)が届いているはずだ。ただ、故障が発覚して日程が大幅に遅れてしまった。もともとの予定は8月10日出発。既に対馬には到着し、今頃は横浜に向けて瀬戸内海を航行しているはずだった。残念。

ただ、航海に行けずとも後悔する必要はない。いつでも行けるからだ。船は安全を優先する事が大切だ。

それよりも、もっか我が家のメインテーマは乳がんの対策だ。
まみちゃんは「初期がん」という段階ではなく、既にステージ2期以上に入っている。けっこうシビアなのだ。

今、我が家では乳がん対策をいろいろ考えている。
先日行ってきた「やすらぎの湯」は効果があるかもしれない。
素人考えなので専門家の方は笑って読み飛ばしていただきたいが、乳ガンは熱に弱いということがわかっているらしい。

ガン細胞も体細胞だ。代謝や細胞分裂など、生きていくための様々な機構を備えている。ただ、正常細胞と比べると至らないところやおかしいところもある。

ガン細胞の代表的な「欠陥」は冷却システムだ。人間の冷却システムといえば血流。対表面で発汗によって冷やされた血液が全身を回ることによって体細胞を冷やす。

ドロドロ血になると発汗も少なくなり、同時に血流も悪くなるため冷却ができなくなる。真夏の熱中症は脱水が進むことによって起こる。水を飲むことによってドロドロ血が元に戻り、汗も出て冷却がうまくできる。

肝心なのは、体細胞にきちんと網の目のように血管がめぐっていないといけないこと。ガン細胞はその組織内に、きれいに血管が張巡らされていないのではないだろうか。細胞壁がおかしいので、細胞内と血管の水分のやりとりも怪しそうだ。それで冷却がうまくできないのではないかと思う。ただ、弱点といっても正常細胞との差はわずかだろう。

「低温やけど」という現象がある。人間の皮膚は45℃以上の温度で熱傷になる。45℃の場合1時間で火傷となる。ガン細胞は一概にはいえないまでも、これよりは低い温度で火傷となり、組織が破壊される。

「やすらぎの湯」は岩盤浴が中心。一般の岩盤浴と比べると明らかに熱い。ちょっと危険な温度だと思えるくらい熱い。

乳がんの組織は体表面に近い。ほんの1cm〜2cm。岩盤浴は遠赤外線なので体への浸透性は高い。うつぶせで岩盤浴を行えばガン細胞はなんらかの熱傷を受けるはずだ。そのとき、できるだけ正常細胞にダメージを与えないようにする必要がある。「やすらぎの湯」のしきたりでは多量の「霊水」を飲むことになっている。これは正常細胞の冷却システムをフル稼働させることになる。

そう考えると、正常細胞はなんとか熱傷にならず、ガン細胞だけがダメージを受けるような岩盤浴の利用方法がありうるはずだ。

というわけで、「やすらぎの湯」は我が家の素人ガン治療プロジェクトにとって、注目すべきスポットになっている。

福島で乳ガンの湯治

福島の三春町にある「やわらぎの湯」にガンの湯治に行ってきた。期間は8月13日から17日の4泊5日。ルキア号の整備期間を利用して急遽こしらえた「湯治のプログラム」だ。

「やわらぎの湯」はガンの湯治で有名なところなのだそうだ。利用客の7割がなんらかのガンを患っている人という。その中でも圧倒的に乳がんの患者が多い。なかにはかなりガンのステージが進んでいると思われるような人もいた。

やわらぎの湯は
1 ラジウム線がでるという岩盤浴
2 ラジウム線がでるという42度の温泉
3 宿泊施設
4 屋外舞台
で構成されている。岩盤浴に1日2〜3回入り、「霊水」を多量に飲み、間に温泉につかり、野菜たっぷりの食事を採って過ごすというプログラム。汗をかくので「霊水」と呼ばれる井戸水を飲むことになっている。この水にもラジウム線が出ているということらしい。

「霊水」は大量に飲む。だいたい、500ccのペットボトルで6本以上。3リットルは飲んでいると思う。確実に言えることは、
1 水を飲むことで温泉の利用者は基礎代謝が増える。
2 食事は野菜が豊富で、生活習慣化すればガンの予防になる。
3 常に体を温めるので体脂肪が蓄積しにくく、これも乳ガン細胞の増殖になんらかの影響がある。
4 温泉で湯治する生活はストレスが低く、ガン細胞の増殖に影響がある。
ということ。こうした生活習慣の改善と併合した治療アプローチはもっと研究されてもよいと思うが、日本では様々な問題があってなかなか難しい。

ただ、利用客のほとんどの人がすでに標準治療(切除、抗がん剤治療、放射線療法)を受けている人だ。まみちゃんのように、まったく切除も抗がん剤も使わないのにここに来ている人は少ない。

オルタナティブな治療を探していこうといっても、怪しい民間療法にこだわるというわけではなく、標準治療以外の先進医療も試してみる予定になっているらしい。こういうところもビジネスを立ち上げてきた女性らしい。
あくまでも「ガンとうまくつきあいながら治療を楽しむ」というノリでいこうということだ。うまく行かなければその時また考えることにしようと思う。

せっかく福島まで行くならバイクで!ということになった。
まみちゃんが乗るBMWのR1200Rは見た目にでかい。特にサイドトランクを左右につけ、それに女性が跨ると大迫力だ。「ふじこちゃん」の世界だ。←いいすぎ!

BMWとCB750三春町宿の側




R1200Rは100kmで走っていればリッター30kmも走る。100km以上は実に快適なバイクらしい。ほとんどアクセルは開けない。でも開けるとググッと加速する。
でも女性にはやはり重過ぎ、でかすぎだ。わかっているけど人が見ているところでは決して取り回しは手伝わなかった。かっこ悪いので。

温泉場の地面は砂利や坂が多い。坂も急坂だ。気を抜くとあっという間に転倒する。まみちゃんだけでなくCB750に乗りながらミラー越しに見ている僕も常にヒヤヒヤだった。

そんなバイクで毎日温泉治療の湯治場に現われるので珍しいらしく
「バイク、かっこいいねゃ」
と女性スタッフや調理場の人に声を掛けてもらえる。ちなみに僕はひとことも声を掛けてもらったことはない。

2日目は三春町のダムへ行ったり、商店街を散歩したりした。

三春ダム




3日目は猪苗代湖までツーリングに。磐梯山のスキー場にも。山と湖と美しい田園。会津藩の力の源を感じることができた。180度ターンが続く山道の上り下りでコーナリングもだいぶ自信がついたとか。
猪苗代湖のマリーナ猪苗代湖


磐梯山磐梯山スキー場





4日目は定番観光の「あぶくま洞」までツーリング。鍾乳洞の探検コースに挑戦した。

あぶくま洞




17日はお盆休みの渋滞も終わったので東北自動車道を通って帰って来た。大渋滞しなかったとはいえ、やはり込んでいた真夏の東北自動車道だ。330kmの道のりがあって、僕はだいぶ疲れた。まみちゃんはどうなることかと思ったが、最後まで転倒も立ちゴケもしなかった。僕はぐったりした。が、まみちゃんは
「ぜんぜん疲れないよ。まだ名古屋まで行けるよ」
という。バイクがいいんだよ!

みなさんのお陰で

マリンエンジンは冷却水である海水が熱交換器を通してエンジンの冷却を行う。
排気ガスは冷却水とミキシングされ、排気ガスも冷却される。
ついでにマフラーの中でさらに撹拌されて消音と冷却が進み、船体のスタンFRPの壁を通り抜け、外部に出て行く。

時間の経過などの原因によってマフラーの接続部から冷却水である海水が船内に漏れ出すことがある。
例えば、あまり高回転で長時間走り続けると、マフラーが熱を持ったり、圧がかかったりして劣化が進むということもあるかもしれない。

ルキア号の整備で、排気系の最終的な位置にある写真の部品(正確な名前は知らない)が見てわかるように劣化していた。

排気ガスと冷却水のマフラー

この故障は、まみちゃんが見つけたようなものだ。整備がひととおり終わり、
「ついでに排気パイプもみてくれる」
という一言で。マフラー部分のカバーが劣化していたので、剥がしてみると、海水が・・・。

エンジンの回転があがり、圧がかかると、ちょろちょろと水が漏れる。これが、クルーズの後でビルジが貯まる原因だったのだ!!
まだ量は少ないが、クルーズ中にこの部品がドバッと裂けたり、外れてしまったりしてしまうと、あっという間に後部の船室が水浸しになってしまう。

故障箇所があることがわかってしまうと、応急処置してクルーズに出るわけにはいかない。
オカザキヨットのジュニアがすぐにミノアのメーカーのサリンズ・バーターに連絡して部品の在庫確認。今日、出荷してもらうとして、4〜5日には到着しそうという。ヤンマーが同じような部品をもっているのかもしれないが、ミノア用のものが確実だ。

シャフトには問題がなかったが、こうなると、他にもバウスラスターや舵周りなど、漏水の点検しなければならないところがありそうだ。

というわけで、ロングクルーズに出かけられなくなってしまった。思えば、最初にコメントでみなさんに教えてもらったときにすぐに本格的に原因を調べればこんなことにはならなかった。反省。

出航前に徹底的に点検した方がいいと、みなさんに教えていただき、おおげさではなく、命拾いした。感謝です。

まみちゃんは
「じゃあぁ、バイクで温泉!」
という。頭の切り替えが早い。
「ルキアが整備できたら本州を1周して北のほうの温泉に行くということもいいなあ。」とも言っている。なぜそんなに温泉にこだわるのかというと、からだの冷えとガンとの関係についていろいろ知ったからだ。その真偽はさておき、温泉に入ってのんびりすることは何かにつけていいことなんだろね。

お盆休みに入った。とりあえず、福島あたりの温泉に向けてバイクで2〜3日、走ってこようと思う。

出航の準備が続く

昨日の朝は5時7分に地震があった。台風9号も猛威を振るっている。
「船で行くな」ということなのか、
「高速道路は使えないから、やっぱり船がいいのだ」
といっているのかわからないから、船がいいのだと天が言っているとしよう。

出航はできなかったが、旅行のレベルの準備はしなければならない。
といっても、いつも旅行しているのでいたって簡単。

海に長期間出ると言うことは、万一に備えて、これまでの仕事のバックアップを置いておく必要もある。それで、近くのドンキホーテでメモリーカードを購入してきた。

システムの開発をしているが、市販されているメモリーカードの種類とか、相場に詳しいわけではない。

面白かったので写真にとっておいた。

バックアップ用メモリーカード

1 左の上はUSBアダプタ パソコンのUSBインターフェースに差し込む。
2 その下がSDメモリカード カメラのメモリカードとして使える。1に差し込めば、パソコン用のメモリカードとして使える。
3 右はSDカードアダプタ カメラに差し込む。1に差し込んでももちろん構わない。
4 その下がミニサイズのSDカード 携帯のメモリカードとして使える。3に差し込めば、カメラのメモリカードとして使える。もちろん、4を3に差し込み、それをさらに1に差し込めば、パソコン用のメモリカードとしても使える。

どうでもいいんだけれども、要するに、これは、パソコン、カメラ、携帯のデータをバックアップできるだけではなく、相互にデータをやりとりできるというセットなのだ。

知ってて買ったのではなく、買ってから気づいたのだった。

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延期

台風8号・9号が来ている。海は荒れ模様。
天候が悪く、上架してある船体の整備もストップした。
整備がずれ込めば出航もずれる。

台風が近くにいると、石廊崎、御前崎、遠州灘は危ない。
石廊崎は11日の9時から11時は波高は4m〜6mくらいの予報。
御前崎も11日の9時から12時は波高が4m〜6m。

出航も見合わせるしかない。

まみちゃんは、通販で買ったシェイプリフトローラーでコロコロやっている。はじめてみる風景だ。フェイシャルヨガとかいって、顔のたるみをとるのだそうだ。とても面白い。だが、写真には撮れない。

船底塗装

上架して整備作業が始まった。今日は主に船底・プロペラ・舵周りの塗装。

作業をしてもらった職人さんによると、ジェット噴流をかけると塗料がすぐに剥げ落ちる。これほど剥げ落ちるのは問題で、どうも船底塗装をする際に、下塗りがされていないのではないかということだった。

ボロボロの船底塗装ペラ

船底にカキはついていなかった。ちょくちょく乗っていたからね。

小樽から帰ってきて以来、2回塗装して、今回は3回目だが、剥げ落ちている塗装がデコボコしている。剥げ落ちている塗料の上から重ね塗りしていることが少々気になっていた。それはそれでよくやる方法ではあるとは思うが、やはりきれいに下地を作ってから船底の塗装もしたい。今回はちょっと時間がないので、また帰ってきてから本格的に船底の養生をやろうかと思う。

明日は仕事があるので、エンジン周りの整備作業は立ち会えない。残念。

***

船底の塗装を見ているだけだとつまらないので八景島までバイクの練習に行くことにした。YBMから八景島まではバイクだとすぐだ。

まみちゃんはだいぶBMWに慣れてきた。
僕もBMW R1200Rに乗ってちょっと一回りしてきたが、オフロード車を連想する姿勢、音、トルク感、サスペンションの反応で乗りやすかった。駐車場に入る時にはハンドルの切れ方が思ったよりも鋭いので、焦って苦笑いしているところをまみちゃんに撮られている・・・。

まみちゃんとR12002台まーくんR1200





今日から家のクーラーを使わないようにした。地球にやさしい生活を・・・というわけではない。そんなことを言うならバイクや車や船には乗れない。

クーラーを使わない理由は、これからはなるべく「体にいい生活」をして、抵抗力や免疫力を高めていこうというもの。体を冷やさず、適度な運動と食べ物。これに気をつけて行きたい。

そういう意味ではボート遊びほど健康度を高める遊びは珍しいと思う。
早起きし、美しい風景に包まれ、波に揺られ、陽にあたり、おいしい空気を吸って、暗くなったら寝る。理想的だ。
なるべく仕事をセーブして、できるだけボートに乗る生活をしていきたいと思う。

先週からぼくはパソコンを立った姿勢で使える机に変えた。足や腰や背筋の疲れが昨日あたりまで酷かったが今日はそうでもなくなった。その代わり、たいへん首や肩の調子がいい。大腿筋も太くなったような。仕事もはかどる気がする。

効果がありそうなので、まみちゃんにも立ち姿勢で仕事をしてもらうようにした。まみちゃんはもともと落ち着きがないので、じっと座っていたことがなかったから効果は少ないかもしれないが、立ったまま仕事をするのは、立ったり座ったりがなくなって、面倒でなくていいらしい。というか、確実に基礎代謝を高め、体温を上昇させる。

マリーナから帰ってきて、お風呂に入り、ベランダを開け放して立ち姿勢でこの文章を書いている。汗が滴り落ち、横浜の夕方の風が体の回りにまとわりつきながら通り過ぎる。気持ちいい。

なるべく体を使い、なるべく体を冷やさず、汗をかき、なるべくいい野菜と玄米を食べ、夜は早めに寝る。笑うことは、これまでどおりでよし。我が家はにわかに健康オタクへの道が始まった。

ロングクルーズの準備を兼ねて

今日はルキア号の整備予定になっているので、デイクルーズには出られない。そこで、バイクの練習を兼ねて、

1 芝浦のヤナセのBMW MotorradでBMWの部品を見たり
2 東雲のバイク用品専門店でマグネット付きのタンクバックとシガライターソケット型電源を購入したり
3 横浜ベイサイドマリーナまで走ってルキアの整備を見たり
いろいろバイクを走らせようということになった。

バイクで湾岸線を走ると非常に気持ちがいい。
まみちゃんがBMWR1200Rを走らせているところを後から見ると、確かにスカイウェーブに乗っているときよりもかっこいい。やはり迫力があるリッターバイクだ。

昼食は大黒ふ頭のパーキングで採った。ここは初めて寄ったがなかなかアプローチが面白い。
だいぶBMWに慣れたらしい。聞いてみると
「自転車のよう」と言い放っていた。ちょっと言いすぎである。

大黒ふ頭P



ロングクルーズに備えて、準備は最終段階だ。

ルキア号に搭載されているプロパンガスボンベが交換できるか横浜ベイサイドマリーナの一番奥にあるマリンショップに聞きに行った。ここは横浜ベイサイドマリーナ直営店で、ほとんど人が訪れない(失礼)が、いろいろと親切に教えてくれる。

プロパンガスボンベはガスの充填もしてくれるし、新品のボンベも販売してくれるらしい。ただ、ガスの充填は期限内で可能でも、錆の問題で受け付けられるか微妙なんだそうだ。
「ちょっと使えるかどうか確かめなければいけないので、ボンベを持ってきてくださいますか?」ということだった。

ルキア号に戻ってボンベを見ると錆びだらけだった。これでは使えまい。それに針金で固定してある。交換のために、針金をほどくのが面倒だ。おまけにレギュレーターも錆だらけ。

「プロパンをステンレスの針金で固定ですか・・・。電食が心配ですね。」と言われた。

長く使っていなかったプロパンガスボンベはいろいろ使うのに不安が残る。

また、クルーズで実際にギャレーを使うことは難しい。
ミノア29のギャレーは狭くて換気が悪く、おまけに一段と低いところにあるのでクルーズ中にこの部屋に入ると船酔いする。また、揺れの問題が大きい。早く走るとパンチングが来てお湯がこぼれるし、停止するとVハルだから揺れが激しい。
このあたりは、アメリカンタグ、ノルディックタグとか、ノードヘブンやグランドバンクスといった類のロングクルーズ専用の船とは大きく違うところだ。

やはり、ミノア29のギャレーはマリーナで使うことに限られる。やはりメンテいらずのカセットコンロにしようかなとも思う。

お店の人が
「どちらに行かれるんですか?」と聞いてくださった。そこで、
「瀬戸内通って、対馬です」
「う、いいですねえ。」と妙な間が。
「瀬戸内はどうですか?」とまみちゃんが聞く。
「独特です。きれいですし、いいですよ。ただ・・」
「ただ・・?」
「下手に手足を水の中でばたばたさせないで下さい」
「え?なんで」
「サメにやられます」
「へー!そーなんですか!」
「はい。結構、多いんです。瀬戸内の監視員はみんなサメを見ているんですよ。ほんの30センチの浅瀬で遊んでいた子どもがホオジロサメに持ってかれてしまうということもあります。」

聞いておいて良かった。結構、僕達は海に入って海遊びをやるほうだ。
瀬戸内で、人の来ない入り江でのん気に遊んでいたら体が真っ二つ!ということにもなりかねない。

「ほんとは相模湾にだってサメはいるんですよ。」

そうかもしれない。確立はそんなに高くないにしても、やはり気をつけるべきは気をつけるべきだ。というよりも、いつも遊ぶところとは違うところで遊ぶということは、ど素人に戻るということなんだと思う。

肝心のルキア号の整備は上架の予約に手違いがあって明日にずれ込んでしまった。
というわけで、明日も横浜ベイサイドマリーナまでバイクに乗ってこようと思う。

せっかくもらった命だからね

先週、横浜市立大学病院で最終的に受けた乳がんの検査結果が今日判明した。

悪性の腫瘍、いわゆる癌だった。ただ、進行は非常に遅く、10年ほどかかってここまで来ているということもわかったのは幸いだった。二人ともある程度覚悟していたこともあって、結果をそのまま受け止めることができた。

後は全身に転移がないかどうかを調べる検査が予定されている。検査をいつやるかについて、医師と話し合った。
「今度、対馬にロングクルーズに行きたいので、その後がいいんですけれども。」とまみちゃん。
「おお、それは冒険だねえ。ではもし無事に帰ってきたらそのときは検査をしましょう。」と担当医。
そんな冗談とも本気ともとれない会話をしてきたそうだ。それだけ癌が深刻ではないということでもある。

進行が遅いので、急いで検査をしなけれればならないということでもないのだ。また、抗がん剤を使うのではなく、ホルモン剤の治療でも充分だということもわかった。

「10年は命は大丈夫そうですか。」
「大丈夫だと思いますよ。」

癌の宣告を受けることは厳しいことだが、考えようによっては、40代、50代になってからの10年は余生としては長いし、体力のあるうちに、せっかくもらった命を大切に生きていくことを教えてもらえたようなものだ。
これから治療方法をじっくり調べ、じっくり医師と話し合って治療方針を決めていこうと思う。

「おっぱいとってしまったら、同時に形成手術受けてもっといいのにしてやろ。」とか言って、どんなときも相変わらず前向きなまみちゃんだ。

今回、たまたままみちゃんに癌が見つかってしまったが、年齢的、家系的に見て、恐らく僕にも体のあちこちに癌があると思う。
人間は誰でも癌になる。
もし癌になりたくなかったら早く死ぬしかない。

人間は誰も死ぬ。死からのがれようとしても難しいのなら、せめて与えられた人生は有意義に過ごして生きたい。
それで、これからは仕事はほどほどにしようと思う。いろんな場所に行き、いろんな景色に出会い、いろんな人にお会いして行きたい。

というわけで、天気さえ良ければ、8月11日の火曜日に西に向けて出航したい。のんびりと仕事をしながらのロングクルーズとなる。
僕達には最初から日本一周とか、無寄港○○日間といった壮大な夢はない。ただただ自然とボートと人との出会いをのんびり楽しむところに、ロングクルーズの楽しみがある。

でも、海上での事故はいやなので、明日と明後日の2日間は上架して念入りに整備作業となる。
今回の整備作業は見学させてもらうつもりなので、勉強になると思う。オカザキヨットのジュニアには無理を言って申し訳なかった。

最初の宿泊地は下田。
次は古巣のNTPマリーナ高浜。そういえばNTPマリーナ高浜で手取り足取り御世話になった浜ちゃんが、出世して今や所長さんになられているらしい。8月号のボートクラブで知った。お会いするのが楽しみだ。
ここで計画を練り直し、次は西宮マリーナへ。

さらに仕事をこなしながら西進し、尾道と因島で長期間の停泊。
ここを拠点に四国方面の仕事をしながら門司、玄界灘、対馬を目指す。

バイクは長期間乗れなくなるのもいやなので、時折、新幹線や飛行機で横浜に帰り(というか仕事の都合でそうなると思うが)、関東方面の仕事をこなしているときにちょこちょこ乗り、
またルキア号に戻って航海を続ける、という超軟弱(?)で超豪華で、こうやったら仕事と両立するんだという、日常生活に溶け込んだロングクルーズを目指したい。

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まーくん

2007年の夏に二小型船舶級をとりました。2008年1月一級に合格。
かみさんと娘の3人家族。
核家族なのに車、バイク、ボート、自転車、インラインスケートなど誰がどのように乗りこなせばいいのかわからなくなっている乗り物馬鹿。
2008年5月小樽〜横浜BMへの回航が成功。これからも長距離クルージングを追及していこうと考えています。

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