このボート、波があるとよく跳ねる。海のうさぎちゃんだ。
フラップの操作も少々難しめで、操作するたびに首を微妙に左右に振ったりする。着岸時にフェンダーを出すたびにまみちゃんは海に落ちそうになる。

にもかかわらずだ。シーレイはいいボートだと思う。実際に人気の高いボートでもある。NTPマリーナ高浜にも何台かシーレイオーナーがいる。みんなシーレイに乗るときは幸せそうだ。

海の上ではパワーがあり走る。
ユニバーサルスタジオジャパンのコースターよりも激しい衝撃を受け、スリルを味わえる。ウェイクもいろいろとこなせる。釣りもやれなくはない。港での入港も船体が短いから小回りが利く。

シーレイ社のボートは空間をめちゃくちゃうまく使っている。電動トイレもギャレー(キッチン)もある。ベッドも2箇所についている。
運転席の他、大人4人が座れるシートとテーブルがある。シーレイマジックだ。
マリンステップもあって、海から上がるときも海に入るときも快適だ。
23フッターで9人乗りというのも怪しいがほんとうだ。現行のシーレイ240なら10名!すごい。ちなみにミノア29は定員6名だ。

シーレイのインアウトのドライブをチルトアップして喫水を稼ぎ、誰もいない白い砂浜に錨泊する。釣った魚をナイフでさばく。
ゆったりと波に揺られ、水着姿で夕日と流れる雲と水平線を見つめる。シートに深くもたれ、とっておきの白ワインと魚を楽しむ・・・。
そういうベタな海の楽しみ方を<努力しだい>でできなくもない。
実際には・・・
ゴミが散乱する三河湾の砂浜の空いているところを四苦八苦して探す。
魚はぜんぜん釣れずにセブンイレブンまで重い足を運びながら歩いて行って握り飯とつまみを買う。
出発する時間には干潮になっていてアンカーをはずせなくなり、
アンカーまで歩いていってやっとこさはずしてボートを押し出して脱出したりする。
苦労に立ち向かって楽しみに変えるボートライフなんだけどね。
それでもシーレイの楽しさはいささかもスポイルされるわけではない。

このシーレイ230DAは昨年の夏まで琵琶湖で使われていたボート。琵琶湖や三河湾のような平水域ではこういうマリンレジャーに徹したボートが一番合っているのかもしれない。

でも、やっぱりシーレイで日本一周に挑戦することだけはやめておいたほうがいい・・・。