11:00 寿都出航
12:45 白糸岬
13:20 茂津多岬
14:40 瀬棚港

気象庁の海洋情報を見ると、強風注意報が出ている。
「今日はあきらめよう」で一日が始まった。
でも、海は穏やかになっている。昨日の海とまったく違っていた。
天気図を確認すると、低気圧は1008ヘクトパスカル。
等圧線は広い。
「行けなかったら引き返す」
ということで、出発になった。時間が遅かったけど。

順調に白糸岬までは進んだ。
しかあああし!!

海は絶対甘くない。特に、北海道西岸は甘くなああい!!
白糸岬を過ぎるころからだんだん波は高くなり、茂津多岬あたりに入ると、
雷と風の攻撃にあった。

波頭が砕けた水の泡が細い線を引くようになる。
引き返そうにも引き返せない。
時折2mを超える波が襲う。

とくちゃんもまみちゃんも雷がなるととたんに怖がり始めた。
<ひょっとして遭難>
そんなことばが頭の隅に浮かぶ。

そんなときでもミノア29は対置速度7ノットでどんどん前に進む。
すごい。安定している。
舵の反応がいいので、横から突然襲う波にすばやく反応して横波を受けないようにすることができる。

「無理をしない」が原則の航海だ。この悪天候ではとても江差までは届きそうにもないので瀬棚に避港することにした。

瀬棚の岸壁


瀬棚はいい漁港だ。さすがに海上保安庁の基地になっているだけある。
港ではちょうど市が始まっていたので覗いてみた。
大福を買って3人で食べた。
「魚市なのになんでやねん!」
でも、ほんとうにすぐに食べられるものは大福だけだったので。


始まった市



瀬棚には民宿がたくさんある。
泊まった宿は「海の家」。すごいストレートな名前の宿だ。
宿の前には奇岩の三本杉岩!
これもほんとうにすごい景色だ。

三本杉岩


宿では瀬棚(せたな)のポスターがいっぱい壁に貼ってあった。
「またせたな、せたな」
「幸せたなー」(加山雄三さん風の似顔絵付き)
「やせたなー」(←ちょっと強引で意味不明)
といった調子でおやじギャグ連発のポスターだった。

そんなリスキーなポスターとはかかわりなく宿の人はみな親切で感じがいい。
急な宿泊にもかかわらず、とてもとても喜んでくださった。ありがたい。


三本杉岩2



給油にも応じてもらえた。
ガソリンスタンドの人は、漁港で給油が終わると、
「タンク車で宿まで送りましょう」
と言って下さった。ほんとうに近くだし、とくちゃんとまみちゃんと僕の3人は乗れないし申し訳ないので断ったが・・・。
でも、まさか、わざわざスタンドに戻ってタンク車を普通車に取り替え、
歩いている僕たちを追いかけてきて乗せてくださったのにはびっくりした。

これまで北海道で出会った人は全員、間違いなく親切だ。
食事もおいしいし、景色もいい。
ルキアに乗ってみなさんに感謝することばかりの毎日だ。

魚港の中のルキア