ルキアの航海を通して、果たしてプレジャーボートはどれくらい燃料消費するものなのかがたいへん気になっていた。

燃費



これまでの航海記録から時間当たりの燃料消費を計算してみると、
平均燃料消費は時間当たり27リッターということになる。予想した結果とそれほど差がない。ミノア29はトローラータイプであるだけに、やはり燃料消費は少なめだ。

ただ、燃料消費は非常に誤差が大きい。海は単一ではない。
外洋で海が荒れると、ミノア29DCでは3000回転は絶対に回せない。危険だし、乗り心地というレベルの話ではない。波が高くなれば5〜9ノット。2500回転までの操船となる。この時、時間当たりの燃料消費率はかなり良くなっているが、走れども走れども目的地には着かない。逆に凪のときは回転を上げて目的地に早く着くことができるが、燃料消費率は悪くなってくる。

ヤンマーのエンジンは頑丈であるとはいえ、3200回転を過ぎるあたりから白煙とも湯けむりともつかない排気を出し始め、苦しそうな感じが出てくる。後部の座席でエンジン音をよく聞いていたまみちゃんの話によると、ミノアはだいたい2800回転くらいが音も良く、乗り心地もいいという。速度的には12〜14ノットというところだ。それでも外洋では十分に速い方だ。2m近い波や波長の短い波を超えて進む時、スピードを出すことはあまり快適ではないし、怖い。

東京湾では遅い(しょぼん)。でもミノアを30ノットオーバーで走らせるのは似合わない。それだったらバリバリに速い船を選ぶべきだ。ただし、30フィートクラスのフライングブリッジ艇の燃費は時間当たり50〜70は普通だ。速いが燃費もそれなりにかかる。普通は2軸なのでメンテナンス費用もそれなりにかかる。

ミノア29の回航をしていて今回は3人の回航だった。部分的には2名のクルージングもあった。超ベテランになれば1名でも操船できそうな気がする。
「大きな船は乗っていて気分がいいが、他人の都合で船に乗らなければならないのは気分が悪い。」
多くのボートオーナーが成功して夢のような船を所有した時のジレンマだ。少人数クルーズが可能な点は極めて優れた点であるといってよい。

全体の燃費は1734リットルで194187円。今回の軽油代金は免税をしていない(免税申請をするのを忘れた)。

「外洋を少人数で長距離クルーズするならミノア」
この考え方は小樽〜横浜の大回航を終え、間違っていなかったと確信することができた。ヨットのゆったり感とボートの速さ。中途半端といえばそれまでだが、気のおけない仲間と安全に長距離クルージングをしたいという目的にはこういうタイプのジャンルしかないのではないかと思う。