40フィートを超えるような豪華クルーザーの場合は知らないが、ルキア号のような30フィート前後のボートの場合、
1)揺れる、2)狭い、3) 忙しい
ために、ダイエットになる。
●揺れる
東京湾は平水域だけれども案外複雑な「ミニ三角波」の地域だ。
理由は遠浅の海岸がほとんどなく、垂直の護岸に囲まれているため。そこにひっきりなしに大型の貨物船が通り大きな引き波が立つ。その波は垂直の岸に反射して他の波と干渉し、どんどん複雑な波になっていく。
波が複雑ならば、船は複雑に揺れる。
クルージングの最中に座って操船することはめったにない。立った方が前が見やすいしバランスをとりやすいからだ。
バランスをとっている姿は、「腰まわし」、あるいはジョーバの運動量に相当する。
●狭い
ルキア号は29フィートなのに案外狭い。広いウオークアラウンドのレイアウトを採用しているためだ。便利だけど室内はその分狭くなる。
うしろのキッチンはかなり下がっていて、喫水線の下。ここに重量物を保管する。トイレに行くのも下の階。クルージング中はあがったり下がったりを繰り返す。
●忙しい
クルージングは案外忙しい。頭を大きく動かす。360度どこから他船が来るかわからないので。
クルーもいろいろやることがある。まみちゃんも
1 係留許可のために漁港の漁協に連絡を入れたり
2 フェンダーを出したりしまったり
3 もやいロープを準備したりつないだり
4 大声を出して陸の人と話をしたり(彼女の声は品川駅前の道路を挟んでもきっちり聞こえるよく通る声だ)。
いろいろとせかせか動き回る。漁港が近づくとたいてい操舵室から外に出て忙しい。
これが夏なら暑いので水を飲んだりして代謝が上がり、もっと痩せる。
小樽から回航したときは80kg近くあった体重が75kgまで落ちた。めいっぱい旅館で食べたけど。ただ、このところだんだん増えつつある。まみちゃんもヨガをやらなければと、いつもヨガができるような場所が引っ越しの条件だ。
船に乗れればダイエットできるのだが。
ぼくたちの場合は優雅な生活をしているわけではないので、船があっても痩せられない。