プレジャーボート航海記

Minor29で行く日本沿岸の旅。Minor29の購入から北海道〜横浜ベイサイドマリーナまでの回航・港・観光・宿泊情報。横浜から沖縄までのクルージングも成功、様々な寄港地での人情をご紹介。

回航ログ

午前中は穏やかだったのに・・・

11:00 寿都出航
12:45 白糸岬
13:20 茂津多岬
14:40 瀬棚港

気象庁の海洋情報を見ると、強風注意報が出ている。
「今日はあきらめよう」で一日が始まった。
でも、海は穏やかになっている。昨日の海とまったく違っていた。
天気図を確認すると、低気圧は1008ヘクトパスカル。
等圧線は広い。
「行けなかったら引き返す」
ということで、出発になった。時間が遅かったけど。

順調に白糸岬までは進んだ。
しかあああし!!

海は絶対甘くない。特に、北海道西岸は甘くなああい!!
白糸岬を過ぎるころからだんだん波は高くなり、茂津多岬あたりに入ると、
雷と風の攻撃にあった。

波頭が砕けた水の泡が細い線を引くようになる。
引き返そうにも引き返せない。
時折2mを超える波が襲う。

とくちゃんもまみちゃんも雷がなるととたんに怖がり始めた。
<ひょっとして遭難>
そんなことばが頭の隅に浮かぶ。

そんなときでもミノア29は対置速度7ノットでどんどん前に進む。
すごい。安定している。
舵の反応がいいので、横から突然襲う波にすばやく反応して横波を受けないようにすることができる。

「無理をしない」が原則の航海だ。この悪天候ではとても江差までは届きそうにもないので瀬棚に避港することにした。

瀬棚の岸壁


瀬棚はいい漁港だ。さすがに海上保安庁の基地になっているだけある。
港ではちょうど市が始まっていたので覗いてみた。
大福を買って3人で食べた。
「魚市なのになんでやねん!」
でも、ほんとうにすぐに食べられるものは大福だけだったので。


始まった市



瀬棚には民宿がたくさんある。
泊まった宿は「海の家」。すごいストレートな名前の宿だ。
宿の前には奇岩の三本杉岩!
これもほんとうにすごい景色だ。

三本杉岩


宿では瀬棚(せたな)のポスターがいっぱい壁に貼ってあった。
「またせたな、せたな」
「幸せたなー」(加山雄三さん風の似顔絵付き)
「やせたなー」(←ちょっと強引で意味不明)
といった調子でおやじギャグ連発のポスターだった。

そんなリスキーなポスターとはかかわりなく宿の人はみな親切で感じがいい。
急な宿泊にもかかわらず、とてもとても喜んでくださった。ありがたい。


三本杉岩2



給油にも応じてもらえた。
ガソリンスタンドの人は、漁港で給油が終わると、
「タンク車で宿まで送りましょう」
と言って下さった。ほんとうに近くだし、とくちゃんとまみちゃんと僕の3人は乗れないし申し訳ないので断ったが・・・。
でも、まさか、わざわざスタンドに戻ってタンク車を普通車に取り替え、
歩いている僕たちを追いかけてきて乗せてくださったのにはびっくりした。

これまで北海道で出会った人は全員、間違いなく親切だ。
食事もおいしいし、景色もいい。
ルキアに乗ってみなさんに感謝することばかりの毎日だ。

魚港の中のルキア

海はやっぱり甘くない

08:00 マリンウェーブ小樽出航
10:30 積丹半島通過
11:00 神威岬
12:20 燃料補給のため岩内に寄航 230L補給
13:20 岩内出航
15:00 風が強くなり、寿都に避難することを決定
16:30 寿都に避港

今日は小樽マリーナを出て、積丹半島、カムイ岬をかわし後は江刺を目指す。
北海道の積丹半島、カムイ岬はほんとうに絶景。
あのトンネル崩落事故の記憶が甦る。

満タン近くになっていた軽油だったが、思ったよりも燃料消費が多い。積丹半島ですでに2/5近くを指している。
無給油で江刺までは無理なので岩内を目指す。

岩内に寄航したとき、漁船の引き波に大きくあおられて危うく手すりをコンクリートにすりそうになった。
港には給油設備はなかった。ガソリンスタンドを探さなければならない。
上陸してまみちゃんがスタンドの場所を聞くために民家に入って出てきたとき、
軽油を積んだタンク車が通りかかり、給油車を止めてくれた。あり得ないタイミングの良さだった。

給油も終わり、岸壁に座り込んで食事を済ませた後は江刺を目指す。
岩内を出たときは非常に波もおだやかだった。
「たいくつだあ」
とまみちゃん。確かにすごい絶景だが、同じ風景なのでどうしても見飽きる。

途中、トドやアシカ、イルカが何度も見える。
「船の数よりも多い」
ととくちゃん。アシカたちはルキアが近づくと確認のためか海に高く顔を突き出しこちらを見る。面白い。

弁慶岬が近くなるにしたがって波が高くなりぜんぜん前に進まない。
オカザキヨットのジュニアにまみちゃんが電話すると低気圧が近づいているらしく避難したほうがいいとのこと。
波も1mくらいになっている。

そこで迷ったが寿都に転針。
3マイルくらいなので近いと思ったが寿都は完全に向かい風なのでなかなか近づかなかったが
波を交わしながらなんとか寿都港に入った。

空いている岸壁を探し、どこにつけようか迷っているうちにどんどん船体が流され、あわや舫っている船に衝突という事態に。
「ぶつかるう!!」
というまみちゃんの叫び声に若者の漁師が二人走り寄ってきて助けてくれた。
ほんとうにいい人たちだ。

船をもやいをとるときの徳ちゃんの動きはさすがだった。もし、とくちゃんがいなかったら、船体に穴が空いていたかもしれない。

助けてくれた若者の漁師さんに聞くと今日も明日も海が荒れるので漁に出ないそうだ。
トドのほうが船よりも多いはずだ。風が強かったのでみんな海に出ていなかったのね。

宿は六条館。
寿都にある「ゆべつの湯」で温泉に入ることになった。
「お湯に入るのに歩いていったらしばれるからだめだあ(北海道のアクセントで)」
と、宿の奥さんは車まで貸してくださった。

ルキア号は初日からこんな日になってしまったが安心して走れる船だ。
復元力が強いというよりも、横揺れが少ない。船内機船でフライングブリッジがないせいか。
いい船だと思う。

北海道の人はみんなほんとうに親切だ。海の航海以上に感激した。

疲れたので8時30分だけど、寝ることにした。信じられない給油カムイ岬波

小樽マリーナに入る

今日、マリンウェーブ小樽に到着した。ルキアには約5ヶ月ぶりの再会だ。
あの日、僕たちはルキアに一目ぼれしたのだった。
あの日からあっという間に時間がたち、今日再び、ルキアに会うことができた。

ルキアは明日の出航に備えてゲストバースにたたずんでいた。
ちょうどそのとき、最終整備を担当していただいた佐々木さんと運良くお会いすることができた。
ルキアは無事に船底塗装も終了、腐食していたジンクも交換していただき、完璧に仕上がっている。
清水も満タン。
注文していたオートパイロットもコンパスに合わせて調整されていた。

フェンダーはすでに5本付いているがこれはマリーナ用の小型のもの。
今回の回航では漁港の岸壁に着岸することも考慮しなければならない。
漁港は引き波が大きく、船がコンクリートの岸壁に大きくあたることもある。
そこで
1 俵型のフェンダーを2本とそれを通すロープ13m1本
2 18mmの10mのロープを4本
マリンウェーブ小樽に注文し、そろえてもらった。
アンカーは1本用意されていれば十分ではないかということで、今回は注文しなかった。
北海道のマリンウェーブ小樽の人たちはほんとうに親切で気持ちのいい人たちだと思う。

とくちゃん、まみちゃんとマリーナ近くのショッピングモールで食料とミネラルウオーターや食器、米などを買い込んだ。
これで漂流しても1ヶ月くらいは生きることができるだろう。

後は明日、出航の際に給油をするだけだ。

マリンウェーブ小樽玄関ルキア2008ルキアの後姿

師匠、乱入!

小樽〜高浜の大回航計画に師匠が参加してくれるそうだ。
といっても現役バリバリの経営者で忙しい方なので徳ちゃんのように小樽からはつきあえない。徳ちゃんは在宅で仕事をする人なので時間は何とでも都合がつくけど。

ということで、途中、どこかで船に乱入してくるということだ。ちょっと怖い。
まあ配下のヨットを操って海上でルキア号に横付けされ、海賊のように乗り込まれるというようなことはなさそうなので
横浜とか熱海とか新幹線が止まる港で合流ということになると思う。

これで回航の最終段階の船上は宴会で大荒れになることは決定した。
なんせ、まみちゃんと師匠が飲み始めるとビールのペースは半端じゃないからな。

僕は飲めないが、メチャ楽しそうに船の上で話している師匠たちを見ていてこういう人たちと会えて良かったと思う。

セルフ回航 VS サービス依頼

「初心者が北海道から回航を行うのは無謀だ。」とはやはり見識のある意見。
・西風で前に進めないかもしれない積丹半島・カムイ岬
・龍も飛ぶ竜飛岬
・日本有数の流速の津軽海峡
・霧にむせぶ三陸海岸
・旅の仕上げには春の突風が吹きあれるかもしれない遠州灘もある。

これらすべての場所について僕たちはボートで航海したことはない。回航屋さんというプロ集団がいる。安全に夜を徹して船を回航してくる集団だ。いちどお目にかかりたいとも思う。浜ちゃんは
「回航屋さんに同乗してもらうというのはどう?」ともいう。
でもやっぱり気を使いながらの回航というのもねえ。

サービスを委託した場合、費用面ではどうだろうか。
4日間で
(1)1200マイルの燃料代 20万円
(2)2人分の人件費  40万円
(3)保険 10万円
(4)消耗品等 5万円
で、合計75万円となっても不思議ではない。あくまでも自己試算で見積もりをとったわけではないが・・・。

陸送はどうか。マリンウェーブ小樽のスタッフによると、トラックのチャーター、上げ下ろし、フェリー代金、燃料代、高速代、人件費等で60万〜70万円というのは覚悟しておいた方がいいとのこと。簡単に言えば回航予算は70万円。十分なエンターテイメントを実行できる予算だ。

それだけのお金がかかるんだったらやっぱり自分で回航したい(まみちゃん)。確かに、難関が続く場所はやはり魅力がある場所だ。リスクはある。だからこそリターンも大きい。日本一週ヨットの旅を敢行された諸先輩方も、航海するのは始めての場所ばかりだったはずだ。それにボートとヨットとでは嵐からの逃げ足の速さが違う。
というわけで、結論は小樽から愛知県高浜市までのセルフ回航を選択!となった次第だ。

リスクを回避するための作業はやはり楽しみとは別の作業。これはコツコツと行う必要がある。それは自分の役割としてきちんと行っておこう。
blue-7
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